2024.07.29生きがいについて
こんにちは。
毎日暑いですね…。
暑いことに不満はないのですが、ただひたすら暑いです…。
もしクーラーが発明されていなかったら…と考えるとゾッとします。
発明してくれた人に感謝の気持ちでいっぱいです。
さて今日は、本の話題です。
久しぶりに素晴らしい本に出会いました。
先週末に読み終えたところですが、著者の深い愛が私の体に沁み込んで今でも全身をめぐっているように感じます。
私の恩書と呼べる一冊です。
こちらです。
生きがいについて 神谷美恵子著 みすず書房
著者は、国立ハンセン病療養所の長島愛生園にて精神医学調査を行い、その後、愛生園の精神科医長に就任し、治療にあたった方です。
Wikipediaには、↓このようにも紹介されています。
神谷 美恵子(かみや みえこ、1914年(大正3年)1月12日 - 1979年(昭和54年)10月22日)は、日本の精神科医。哲学書・文学書の翻訳やエッセイの著者としても知られる。
「戦時中の東大病院精神科を支えた3人の医師の内の一人」、「戦後にGHQと文部省の折衝を一手に引き受けていた」、「美智子皇后の相談役」などの逸話でも知られる。
この本は、隅から隅まで素晴らしい内容で、主に以下について書かれています。
1 生きがいということば
2 生きがいを感じる心
3 生きがいを求める心
4 生きがいの対象
5 生きがいをうばい去るもの
6 生きがい喪失者の心の世界
7 新しい生きがいを求めて
8 新しい生きがいの発見
9 精神的な生きがい
10 心の世界の変革
11 現世へのもどりかた
今日はこの中で書かれていた“運命”についてのくだりを抜粋して紹介します。
一言一句噛みしめて読んでいただけると、著者の想いが伝わってくると思います。
どうぞ。
運命というもの
運命というものは、必ずしも人間にとって悪いものばかりをもたらすわけではないのだが、人間の身勝手な性質として、いいことはとにかくあたりまえなこととしてうけとりがちである。たとえば、私たちが悪い病気にもならず、毎日を親しい者のなかで平和に暮せるということ、それひとつをとってみてもまったくふしぎな「まわりあわせ」で、ただ好運というよりほかはない。らい病にかかっているひとたちをみても、なぜ私たちでなく、彼らが病まねばならないか、という問いが出てくる。伝染といってみても、たしかにらいは伝染性の病ながら、極めて弱い伝染力しか持たないし、らい患者のなかには、衛生思想の高い家庭の出のひともあって、どこからあの病気をうつされたのか、まったく思いあたらないひとも少なくないのである。したがってこの問いにはほんとうは答はない。私たちがらいを病んでいたとしても、べつにふしぎはない。彼らが私たちに代って病んでいるのだ、といってもいいすぎではないのである。ゆえにほんとうは自分の好運について平生ふかく思いをひそめていいはずであるのに、私たちはよほどとくべつなことがおこらないかぎりこうしたことは考えず、ただ悪運のみを深刻にうけとめるものらしい。どこの国のことばでも、運命というのは、悪い連想を伴っていることが多いのはそのためなのであろう。たとえばギリシャ人の想像では、三人の老いた女神モイライたちが人間ひとりひとりの寿命の糸をつむいでおり、そのなかの一人アトロポスがふと気まぐれに大きな鋏でプツリと糸を断ち切ってしまえば、前途有為の青年もその場で息がたえてしまう。その青年の母親が、「たとえ半人前の姿ででもいいから息子に生きながらえていてほしい。死んでしまうことは、そのことだけはどうぞかんべんして下さい」と手を合わせて天をおがむような心で、永年血のにじむような看病をつづけていたとしても。ここで、彼女は一ばん大切な宝をもぎとられてしまう。恐れつづけていた最悪の事態がついに現実となってやってくれば、それをもたらしたものを恐ろしいもの、苛酷なものとうけとるのは当然であろう。
客観的にみればそれ自体善とも悪とも言えない「運命的」な現象も、このように人間の心との関係という地点からみるときには、種々な様相をおびてくる。したがって運命とは、単に外側から人間の上にふりかかって来るものだけを意味するのではない。同じ打撃でもその受けとめかたがちがい、その影響のしかたがちがう。ことに人間が持ってうまれた性格は、これまた内的な運命というべきものであるから、すべて人生において岐路をつくるような出来事は、外的な運命と内的な運命との出会いというべきものである。それゆえに人生においてだれひとり同じ運命に会うひとはないことになる。また、人間の意志を超えた力があるひとの生活史に作用するとき、それがどのような意味を持つかということは、そのひとがそのことにどのような意味を持たせるかということでもある。つまりこれは、そのひとの独特の創造であるともいえる。
※表現は初版刊行当時の通例のままです。ご了承ください。
この本は、ハンセン病と診断され隔離生活を余儀なくされた方に行った精神医学調査の結果や、死刑囚が生きがいを見出した際の心境の変化の実例を紹介しながら、生きがいの本質について、広く深い視点で記されています。
私は以前に死刑囚が遺したアートや詩などの作品に興味を持ったことがあり、それらに多くの人の心を打つ素晴らしいものが多く、また、それらの作品から伝わるエネルギーに魅了されたことがあったためか、この本に書かれていることは共感できるものばかりでしたし、その時に得ていた気づきをさらに深めるよい機会になりました。
50年以上生きてきて酸いも甘いもある程度分かりつつある今、この本に出会えたことは天からのプレゼントだと思っています。
ご興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。
神谷美恵子コレクション みすず書房
https://www.msz.co.jp/book/writings/40/
いつもありがとうございます。
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- 青木 敬司 (あおき けいじ)
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コンサルティング(スムージング経営)
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