2023.05.21脳の中にはダークエネルギーがある… 目の前の世界も私もまぼろしなのか??
こんにちは。
今日は二十四節気の「小満」です。
あらゆる生命が旺盛になって活動し始める時期を表しています。
ちょうどこのタイミングにめだかの卵が孵化しまして、この2~3日で4匹増えました♪
こちらがめだかの稚魚(針子)。体長は5mm程度です。
孵化する直前の卵はこちら♪
目玉をギョロギョロさせてこちらを見ています(笑)
仕事が忙しくてもめだかを眺めていると癒されるんですよね~♪
先ほど近所のカフェでとても美味しいホットドックをいただき、とても気分がよいです♡
気分が良いのでブログの更新をすることにしました。
今日は脳のお話です。
「Wedge ONLINE」というサイトにアップされていた、脳科学者の池谷裕二さんと、ライフネット生命の会長 出口治明さんの対談記事から転載して紹介します。
この記事をたまたま見つけて飛び上がるほど感激しました。
私が人生をかけて追究しているテーマの一つが「無意識」でして、脳科学の研究成果を知る度に、その実体が見え隠れするように感じています。
分かっているようで分かっていない「意識」と「無意識」の本質に近づけると、幻想とも言われるこの世界の仕組みがおぼろげながら分かりますし、極論を言うと無意識の使い手になれるように思うのです。
使い手と言うより、無意識に溶け込んで一つになるといった方が良いかも知れませんね。
今日紹介する対談は、その理解を深めさせてくれる貴重なものでした。
私が一番興味を持った記事は「脳の中にはダークエネルギーがある」というテーマでしたが、他にもいろいろ有りますので、興味のある方は↓こちらのHPにアクセスしてお読みください。
特別対談企画「出口さんの学び舎」
脳の中にはダークエネルギーがある
池谷裕二(脳科学者)×出口治明(ライフネット生命会長)[第4回]
構成/菅 聖子
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/9641
ここで紹介するのは第4回「脳の中にはダークエネルギーがある」。
健康に関する話題や、猫の話題など、面白くてためになる内容ばかりですので、少し長いですが最後までお楽しみください。
ではどうぞ♪
念力と意志の力は何が違うのか
出口:脳は、人間とどう関わっているのでしょう。結局、脳が人間のすべてと考えてもいいんでしょうか?
池谷:私は一応脳研究者なので、「はい、そうです」と申し上げたいところです。唯脳論的な立場を科学者としてとらなきゃいけないんですが、ちょっと哲学的なことを考え始めると、難しい問題がいっぱい出てきます。たとえば念力と意志の力は何が違うのか。今、目の前にあるコップを、念力で持ち上げることはできませんよね。物理の世界で言うと「エネルギー保存の法則」に反するからです。
出口:反しますね。
池谷:では、私が手で持ち上げるのは、エネルギー保存の法則に反しないんですか? という話になってくる。手で持ち上げるのは、運動神経がピピピと反応してそれが電気信号になって走り、筋肉が収縮して上がる。その運動神経の最初のところをピピピピと動かしたのは誰ですか?
出口:無意識の部分。
池谷:そうなんです。運動神経の上流ですけれど、結局、無意識の渦にその源流をたどっていくと消えていっちゃう。
出口:わかりませんよね。
池谷:じゃあ、「意志ってなんだろう?」という話です。ミクロな話をすると、電気信号は神経線維の上に、タンパク質を通す穴が開いていて、普段は閉じているんです。それがパッと一瞬開くと、電気が上がる。僕らがこうして動いているのは、すべてタンパク質の形の変化なんです。最初にタンパク質の形を変化させたものがあるから連鎖反応を起こすのですが、最初に変化させたのは誰? それが意志なんですけどね。
出口:その意志のほとんどは、無意識の部分で決めていると言われますよね。
池谷:じゃあその無意識の、たんぱく質を変化させたのは誰ですか?
出口:ってなってくると、わからなくなりますね。
池谷:わからないんですよ。何か強靭な無意識の意志があって、タンパク質を変化させるとき、手で「よいしょ!」とかやっているわけじゃないですからね。でも、形をぐっと変化させたということは、念力で動かしているのと似ているじゃないですか。
出口:ええ、確かに。
池谷:念力がなければ、タンパク質だって最初の変化は起こらないはずなんです。と、考えると、エネルギー保存の法則を成立させるためには、唯脳論というか、一元論ではダメなんです。
出口:なるほど。
池谷:心は別の世界にある、と考えなければダメなんですよね。私は、二元論は到底科学者として認められないんですが、よくよく考えると二元論じゃないと世の中成立しないことに気づきます。これはとても難しい。
出口:僕もよくわかりませんが、脳の中でそういう作用が働いていることは確かですよね。自由意志じゃないのなら、なんだろう。宇宙論で言えば、ダークエネルギーのようなものでしょうか。
池谷:おっしゃる通りです。私たちも脳のダークエナジーという言葉を使っています。
出口:こういうお話を聞いていると、AIよりも何倍も面白いですねえ。
脳は真っ暗闇の中に、ピピピって信号が届いているだけ
池谷:自分が脳になったことを想像してみていただけますか。
出口:はい。
池谷:子どもたちに同じように聞くと、脳は知能を生む場所だから、「自分が脳になったら天才になれそうな気がする」って言うんですが、たぶんまったく逆です。脳は頭蓋骨の中に幽閉されて、真っ暗闇で光も匂いも味も何も届きません。
出口:牢獄みたいなところですね。
池谷:そうなんです。これは本当に重要で、脳には光が届いているわけじゃない。脳は何を見ているかというと、網膜で光が電気信号にピピピピと置き換わって、そのモールス信号が脳に届くんです。ピピピピという信号を元の画像に復元して、こういう映像だと感じる。映像もピピピだし、音もピピピだし、感触もピピピ。これは実に不思議です。
出口:脳に届くものはすべてピピピ信号なんですね。
池谷:ええ、真っ暗闇にピピピと届いているだけです。
出口:その中で判断するって、わりとしんどい生活ですね。嫌ですねえ。
池谷:おっしゃる通りです。たとえば、私の前に画面パネルがあって、各ドットが神経とつながっていて、そこからのピピピ信号を電光で映し出しているとしましょう。たとえば今、コップを手で触ったら、その信号がピピピとパネルに対応して光ります。脳になって見ていると想像してくださいね。
出口:ええ。
池谷:どうしてこのピピピが、目からじゃなくて手から来たってわかるんでしょう? パネルのドットは、全部ピピピなんですよ。全部等価なピピピです。
出口:それなのに、これは目から来た光だとか、耳から来た音だとか、わかるんですね。
池谷:なぜわかるんですか?
出口:わかりません。
池谷:そう、わからないんです。
出口:ある意味、本当に宇宙論に似ていますね。ダークマターがあることはわかるけれど、それが何かは分からない。でもそういうものを置かないと説明できない。
池谷:そうなんです。
出口:どうなっているかわからないけれど、あるということを前提にしなければいけない。不可視な領域がいっぱいあるのですね。
池谷:脳は「この経路を通ってきたから、これは触覚だ」とか、生まれて一度も確かめたことはありません。これは、宇宙から突然、見たこともない記号が届けられ「この楽譜で宇宙人の音楽を復元してください」と言われるのに似ています。
出口:ああ、そうですねえ。
池谷:宇宙の音楽がどんな楽器を使っているか、音階だってドレミじゃないはずです。そんなものを復元するって不可能でしょう。
出口:永遠に理解できない世界があると理解したほうがいい。
池谷:そう、パラレルワールドみたいなものです。
僕らの体の輪郭は、とても曖昧なものです
池谷:自分の右手を見てください。
出口:はい(右手を出して見る)。
池谷:この右手って、出口さんご自身の右手ですか?
出口:はい。
池谷:どうしてそう思うのですか?
出口:わからないです。でも自分にくっついているし。目で見てピピピと伝わるから。
池谷:おっしゃる通りです。でも、ここにあるコップだって、目から入って来るピピピですよね。
出口:確かにそうです。
池谷:コップのピピピには所有感がないのに、なぜ自分の手だけ所有感があるのでしょう。
出口:2つのピピピに、差はないですよね。
池谷:さすが出口さん、いいところに気づかれました。今年の1月、面白い実験をした人がいます。手を縛って動けないようにして、目の前にゴムのおもちゃの手を置いた。おもちゃだから、当たり前ですが自分の手じゃありません。ところが、そのゴムの手をポンポンポンって棒で突きながら、同じリズムでピピピと脳を刺激したんです。
出口:どうなったのですか?
池谷:ゴムの手が、自分の手に感じられるようになるんです。それも、たった6秒で!
出口:えっ、すごい!
池谷:つまり、脳へのピピピ信号と、視覚としてのピピピ信号が同期しているだけで、自分のもののような錯覚が生まれるんです。その状態でナイフとかで刺すと「痛い~!」って感覚になるらしい。つまり、僕らの体というのは、そんなことで簡単に変更可能になるくらい曖昧なものなんです。
出口:なるほど。
池谷:これは不思議なことではないんですよ。聴覚障害の人の人工内耳は、マイクで拾った音を、ピピピ信号に変えて、その電気信号で蝸牛を刺激するんですね。実際、人工内耳から聞こえてくる音は、ロボットが発している電子音みたいなものです。自然の音だなんて到底信じがたい。でも、そのまま我慢してつけていると、いつしかその音との一体感が生まれて、自然の音声に化けるんです。1か月後には会話ができるようになるんですよ。
出口:脳がだまされるんですね。
池谷:そうです。誰の声でもわかるので、1か月後には電話で話せる。ということは、どんなピピピ信号でもいいんですよ。
出口:慣れてくれば。
池谷:そう。僕が聞いたピピピ信号と、出口さんが聞いたピピピ信号は、同じものを聞いたとしても違うんです。出口さんにはピッピピピーで、僕にはピーピピピーピーと聞こえているかもしれない。でも慣れてくればその音として、どんな音でも聞こえます。なんとなくわかっていただけますか?
出口:大体は。
池谷:ってことはね。脳が慣れてくると、「これは目」「これは耳」「これは手」っていうふうに、真っ暗でも信号に慣れて解釈が上手になるわけです。でも、ピピピだったら何でもいいのなら、ピピピ信号から本当に現実の世界をちゃんと復元できているのか、自信がありますか?
出口:いえ、まったく自信がないです。
池谷:僕もまったくありません。それどころか、ここにはもっと大きな問題がある。「現実世界を再現している」というときの現実世界とは、いったい何ぞや。「現実世界って本当にあるの?」という話になっちゃうんです。
出口:だんだん、ハリウッド映画の世界になってきますね。
池谷:そうなんです。だって僕らは生まれてこの方、ピピピ信号しか脳では感じたことがないんですよ。それなのに、外側の現実世界を想定するなんて意味がないわけです。
出口:先生のおっしゃっていることを荒っぽく言えば、真っ暗な牢獄の中にいる鉄仮面が、日常生活を続けているうちにピピピを聞き分けて、これが現実だという仮想世界を作っているだけ。それが本当かどうかは確認のしようがない。という理解でいいですか?
池谷:ずばり、その通りです。それはたぶん、みんなやっていること。みんなが自分の中に現実世界という仮定を勝手に置き、それを復元した気分になって、相互に影響し合っているのがこの世界だと思います。
人間はみんなポンコツなんですね
出口:先ほど、ポンコツの車でも上手に修理して使いこなせばいいという話が出ましたが、病気もそうですね。治らないと言われたらがっくりしますが、考えてみたらみんなどこか病気になっている。
池谷:そうです。誰もが数十の遺伝病を持っています。だから、健康な人なんていないんですよ。それを前提として考えないと。
出口:そう認識しなければいけないですね。
池谷:そうじゃないと、自分にがっかりしちゃいます。
出口:やっぱり、人間はみんなポンコツなんですね。
池谷:そうそう、そういうことです。
出口:すごくいい言葉をいただきました(笑)。僕は今まで「人生チョボチョボ論」でやってきたんですけれど、今度からは「チョボチョボ&ポンコツ論」でいこう。
池谷:ハハハ。
出口:認知症も、臓器が古くなれば悪くなるように、脳がおかしくなるのも仕方がないんでしょうか?
池谷:仕方ないですね。ただ、心臓や脳は比較的長持ちするのがわかっています。でもやっぱり一部のスペックが、ガタが来るのは仕方ない。
出口:すごく荒っぽい言い方ですけれど、一人でいたら刺激も少なくて病気になるのでは。だからずっと働いたり、いろんな人と付き合ったりしたほうがいいと思います。
池谷:僕もそう思います。結局コミュニケーションや、体を動かしたり歩いたりすること。そのために脳があるわけじゃないですか。
出口:そうですね。
池谷:だから、それを放棄してはいけないんです。私は体が脳を作っていると信じていますから。
出口:脳は体の中にあるから、体を動かすと脳も働く。
池谷:幸い認知症になる人のほうが少ない。仮に2割の人がなるとしたら、残りの8割はなりません。だから、自分は認知症にはならないと信じておいたほうが、確率的には正しいし、健全です。ただ、それでも2割ですよ。たとえば、新車を買って「2割が不良品」だと言われたら、初期不良もいいところですよね。
出口:ええ。
池谷:だからやっぱり僕らって、基本的に初期不良なんです。
出口:ポンコツだ。
池谷:そうなんです。壊れるまでには80年かかりますけどね。でも、よくできているとは到底思えません。
出口:よくできていないと思ったほうが幸せですね。それがファクトですもんね。
猫って、宇宙からやってきたとしか思えない生物です
池谷:コントラフリーローディングってご存じですか?
出口:いいえ。
池谷:「なぜ働くか」という話と関係あるので、お話します。コントラは「逆」、フリーは「ただ」、ローディングは「負荷」です。つまり、労せず手に入れたものより、脳は対価を払って入手したものを好むという話です。僕らは研究室でネズミを飼っていて、ケージの中にエサを置いている。自由にいつでも食べていい状態になっているのですが、ネズミは賢いので、レバーを押してエサが出てくる道具を置いたら、お腹がすいたときレバーを押して勝手に食べるんです。
出口:ほう。
池谷:ケージの中に、レバーのついた道具と、お皿のエサを両方置いておくと、ネズミはどちらを食べるでしょう?
出口:レバーのほうでは?
池谷:そうなんです。
出口:面白いからじゃないですか。
池谷:そうだと思います。つまり、苦労せずに手に入れたエサには価値がないんです。これ、ネズミだけじゃなくて、ほぼすべての種がそうです。魚も鳥も猿も犬もみんなそう。魚なんて、目の前にあるプランクトンを食べればいいのに、海藻の中にあるプランクトンをわざわざつついて食べるんですよ。
出口:苦労があるほうが、ゲットしたときの楽しさがあるんでしょうね。
池谷:そうでしょうね。人間も小さい子にガチャガチャの中身をそのままあげるより、ガチャガチャの機械があれば絶対に回します。これはもう100%回す。だから人間も同じなんです。年を取って、引退して、年金もらって、働かずに手に入れたお金は、たぶんあまり価値がない。出口さんはいつも「定年なくしましょう」っておっしゃっていますよね。
出口:ええ。
池谷:僕は本当にそうだなと思う。給料が安くなるのは仕方ない。でも、働いて手に入れるのは、脳の本質だと思うんです。
出口:動く物と書いて「動物」です。動物は、自分で動いて、エサを獲ってきますもんね。タダで貰うなんて、動物の世界ではおかしいやないか、ってことですね。
池谷:おかしいです。飼い犬みたいにご主人からもらうことに慣れて2000年経っている犬ですら、レバーを押すんですから。もしかしたら、働く物とかいて「働物」といってもよいかもしれませんね。でも面白い話があって、唯一コントラフリーローディングが観察されない生き物が知られているんです。
出口:何ですか?
池谷:猫。とくに家猫ですね。猫は絶対に楽なほうに行くんです。
出口:猫だけはフリーローディング(笑)。
池谷:そうそう。労働フリーな生活が大好き。動物の定義は、エサを獲るために動き回ること。この意味では、猫たちは、もはや動物じゃないです。楽できる機会があれば徹底的に採用、みたいな下心丸見えなんですよ。
出口:これから怠け者には「お前は猫やな」とか言えばいいわけですね。
池谷:あはは(笑)。猫は、ある意味、進化した未来型の生物という言い方もできますね。あるいは、宇宙からやってきたか。地球上の生物ではないですね(笑)。
出口:今度、猫が大好きな友人にしゃべってみよう。面白過ぎてあっという間に時間がたってしまいました。先生、貴重な時間をどうもありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。
池谷先生のお話は分かりやすいですよね。
出口会長の引き出し方も素晴らしいです。
落ちの猫の話題が一番面白いって言われそうですが、たまにはこんな話題に触れて脳をシャッフルさせるのも良いと思います。
また面白い情報があればこちらでご紹介します。
それでは良い休日を・・・
いつもありがとうございます。
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