2015.11.09光と闇 ~神はすべてを創造しただろうか~
こんにちは。
昨日、二十四節気の立冬を迎え、いよいよ冬が到来と思いきや、今日の東京は蒸し暑い日でした。街を歩いていると、上着を抜いで汗をぬぐう姿を見かけるほど。最近の気候は本当におかしいですね。
とは言いつつも、あと三日で旧暦の神無月、冬の最初の月に入りますから、朝晩は徐々に冷え込んでくると思います。この様な時期は体調を崩しやすいですからくれぐれもご自愛くださいますように。
さて今日は手元の資料を整理していて出てきた、ある学生と教授のやりとりをご紹介します。
今から8年前にあるところでご紹介したものですが、本質的なことは何年経っても色褪せないなと感じた次第です。
この二人のやりとりが、生きるヒントになりましたら幸いです。
少し長いですが、お付き合いくださいませ。
どうぞ。
有名な高等研究所の大学教授が、学生たちにこの挑戦的な質問をしました。
「神は、存在するものすべてを創造しただろうか?」
一人の学生が勇敢にも答えました。
「はい、そう思います」
教授は尋ねました。
「神はすべてを創造したと言うのかね?」
学生は答えました。
「はい、先生。神は確かにすべてを創造したと思います」
教授は答えました。
「もし神がすべてを創造したというなら、神は悪も作り出したはずだ。そうなると、神を悪と考えることもできるわけだね」
その学生は黙ってしまい、教授に対して答えられませんでした。
教授はキリスト教の信仰が作り話にすぎないことを証明したつもりになって、たいそう自慢げに満足そうに喜んでいました。
別の学生が手を挙げて言いました。
「先生、質問してもよろしいでしょうか?」
教授は答えました。
「もちろんいいとも」
学生は立ち上がって尋ねました。
「先生、冷たさというのは存在するでしょうか?」
「何をわけのわからない質問をしているんだ。存在するに決まっているじゃないか。冷たさを知らないのか?」
ほかの学生たちも、この学生の質問をあざ笑いました。
この学生は答えました。
「先生。実際には冷たさというのは存在しません。物理学の法則によれば、私たちが冷たいと感じているものは、実際には熱がないことです。熱は、からだや物にエネルギーをもたせたり伝えたりすることなのです。 絶対零度(マイナス二七三℃)は、完全に熱のない状態です。そしてその温度では、すべてのものは不活性になり、反応もできなくなります。
冷たさというのは存在しません。この冷たさという言葉は、どれぐらい熱をもっていないかを感じる目安として作り出された言葉なのです」
その学生は続けました。
「先生、闇は存在するでしょうか?」
教授は答えました。
「もちろん存在するに決まっているだろう」
学生は答えました。
「先生。あなたはまた間違えましたね。闇も存在しないのですよ。闇というのは、実際には光が存在しないことなのです。光を調べることはできますが、闇を調べることはできません。
ごくわずかな光でも、闇の世界を壊し、照らし出すことができます。どのくらい暗いかをどうやって測れるのでしょう?実際には光がどれだけ存在するかを測っているのです。闇というのは、光が存在しないことを述べるために使われれる言葉なのです」
最後に、その若い学生は教授に尋ねました。
「先生、悪は存在しますか?」
今度はその教授はちょっとためらいながら答えました。
「もちろん、われわれは毎日悪を見ているじゃないか。人間に対する残酷なことが毎日のようにあるだろう。世界中どこでも多くの犯罪や暴力があるじゃないか。これらは明らかに悪以外の何ものでもない。」
これに対して、その学生は答えました。
「先生。悪は存在しないのです。少なくとも悪自身は存在することはありません。悪は、単に神がない状態に過ぎません。悪という言葉は、ちょうど闇や冷たさと同じように神のない状態を述べる言葉にすぎません。神は悪を作り出していません。悪は、人間が心の中に神の愛をもっていないときに起こる現象なのです。それは、熱がないときの冷たさ、光がないときの闇と同じようなものなのです」
教授はがっくりと座り込んでしまいました。
その若い学生の名前は、
「アルバート・アインシュタイン」でした。
いかがでしょうか。
私たちは目の前の現実を、自分に都合の良い色眼鏡をかけて見ているように思います。
もし世の中の本質を見る眼鏡をかけたら、この世の中はどのように見えるのでしょうか。
世の中は情報に溢れていて求めれば何でも手に入るが故に、結果としてその情報に翻弄されていることが多いように思います。
本当に大切なものを見る感性を養い、自らの信じる道を堂々と鼻歌を歌いながら歩んでいきたいものですね。
いつもありがとうございます。
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- 青木 敬司 (あおき けいじ)
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