2015.09.07国家財政健全化不要論 ~増田俊男さんの時事直言より~

国家財政健全化不要論 ~増田俊男さんの時事直言より~

こんにちは。
今日は経済のお話です。
ひと昔前の経済は、モノづくり中心でしたので分かりやすかったのですが、今日では金融工学が異常なまでに発達してマネーゲーム化しているため世界の実態がよく分からなくなっているように思います。
日本は戦後、モノづくりを中心とした経済成長で世界第三位の経済大国になりましたが、国民の生活水準や時代によって経済成長のあり方が変わりますから、今では成長の踊り場を迎え停滞気味です。今後の成長のあり方について模索する時を迎えているのでしょう。

その中で指摘されているのが日本の借金。対GDP比で見ると、実質経済破たんしたギリシャを上回ることでやいのやいの言われています。確かに借金が増え続ける構造は問題ですが、日本の借金は世界のそれとはちょいと違います。
今回ご紹介するのが、増田俊男さんが唱える「国家財政健全化不要説」。
なかなか大胆な論説ですが、経済に馴染のない人にも分かりやすい内容でしたのでご紹介したいと思います。

 
早速どうぞ。
 
増田俊男さんのHP「増田俊男の世界」の時事直言というコーナーで紹介されていた記事です。
http://www.masuda-toshio.com/
 
 
 
 

国家財政健全化不要論
 
 
Public(国家等公共機関、以後国家と言う)とPrivate(より高い生活水準を求める個人、企業等民間利益追求機関、以後民間と言う)は利害相反する関係にある。「国家の主権者は国民である」は民主主義の基本であり民間(国民)と国家は主従関係だから利害相反する。国家は民間から税金を徴収し国民の生活に必要なサービスをする。税金を取る側と取られる側、サービスをする側とされる側の利害は相反する。民間の経済は生活を維持する上で破綻してはならず民間の財政は健全であるべきである。
国家はすべての面において民間と利害が反するから民間が「健全」になればな「不健全」になるのが本来である。
日本国憲法第25条は、国民が健康で文化的最低限度の生活をすることを保証している民主主義の上で最も価値ある人権保証条項である。
国民の生活水準向上と共に国民の為の福祉予算が増額されるのは当然のこと。
国民の生活水準が向上し国民の現金資産が国家予算の1,500%、GDPの300%の1,500兆円だから国家の負債が増大(約1,200兆円)、財政赤字が毎年増大するのは当然のことである。
国家は民間の為の公共機関であって利益追求機関ではない。
なのに何故国家財政の黒字・赤字の概念と財政健全がまるで国家の義務のようになったのであろうか。
経済成長期時代は民間には経済的余力(糧)があり、税収は民間が国家に求めるサービスを賄うに余りあったから国家財政は黒字を続けた。
その為いつの間にか国家財政の黒字が健全、赤字は不健全という認識になった。
財政健全・不健全の概念が間違いであり不要であることは1971年8月15日アメリカのニクソン大統領がドルと金の交換制を廃止した時認識されるべきこと。
朝鮮戦争、ベトナム戦争を経てアメリカの財政は赤字になりアメリカは35ドルで金1オンスを保証することが出来なくなり、ニクソン・ショック以降必要に応じて何の物的担保も保証もないドルを連続発行している。
結果アメリカは世界最大の債務国になり18兆ドルの国家負債の返済めどは全くなく、毎年赤字国債(債務を払う為の融通手形)の上限を拡げ続けている。
日本の場合はアメリカの債務がGDP比約100%なのに240%で毎年40‐50兆円の赤字国債を発行し続けている。
だから米国債も日本国債も潜在的破綻国債だが返済期日が来ると赤字国債を発行して返済しているから実際に国債不履行になったことはない。
実はニクソン・ショックから44年も経った今日、財政健全化とか財政破綻などと言う言葉があること自体不自然と言うべきなのである。
今日のカネがモノを言う資本主義の時代において日本人は世界一幸せであると言われるのは国民がGDPの300%もの現金を持っているからである。
そんな国は世界中どこにもない。
当然のことながら日本の国民と利害が相反する日本国家はGDP比240%と言う天文学的債務国である。
民主主義の価値観からすれば日本は世界で最も優れた民主国家と言える。
必要に応じて自国通貨を刷り続けるのが国民の為の優れた国家である。
「そんなことをしたら自国通貨の信用が地に落ちる」と言うだろうが、負債返済のための赤字国債も必要の内、緩和資金で得た不労所得で贅沢をして経済成長に貢献するのも必要の内、それが何であれ新たに発行する通貨に必要性がある限り通貨の価値は落ちるが信用は落ちない。
10月以降の株価暴落に財政問題は関係しないとだけ言っておく。

 
 

なるほどいろいろな考え方があるものですね。
日本のように経済が発展し国民の生活水準が上がると、経済すなわち経世済民のあり方を見直さざるを得なくなるように思います。今までのように右肩上がりの成長だけを良しとする価値観では、新しいあり方は生み出せませんものね。従来の原理による日本の立場がありますから、そう簡単な話ではありませんが、いずれにしろ、成熟期を迎えた国が新しい原理によるリーダーシップを発揮することを時代が求めているように思います。

日本でもベーシックインカムという、最低限の生活を送るための費用を国が支給する政策を唱える人が増えているし、私の友人はそれに熱心に取り組んでいますが、最近私もそういう考え方も有りかな思えるようになりました。
人や社会が新たな進化をとげるには、一人ひとりの本来性をもっと表に出す生き方やそれを支援する社会の再構築が必要になるのでしょう。それまでは生みの苦しみがあると思いますが、そんな新しい社会を創造する楽しい時代を迎えているように思います。

今回の国家財政健全化不要論は、いろいろ考えさせられるよい機会になりました。ありがたいことです。

いつもありがとうございます。

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青木 敬司 (あおき けいじ)

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