2015.04.10おばあちゃん、僕がんばるよ!
元陸上自衛官で幕僚を務めておられた池田整治さんのメルマガに素晴らしいお話が紹介されていました。
以前に池田さんとは、いろいろとご一緒させていただいたことがあります。しばらくご無沙汰していますが、このメルマガを読んで、ふと池田さんのあたたかな心が伝わってきました。
メルマガの内容は、池田さんのお子さんが書いたお手紙のようです。当時お亡くなりになったおばあちゃんへの思いがつづられています。
このお手紙にはとても大切なことが書かれていると思います。小学4年生の男の子が残したお手紙を通して、四十を過ぎたおっさんである私が、頭を垂れて学ばせていただいています。
ピュアな心を持つ子供ならではの素直な心あたたまるメッセージです。
~ここから転載~
おばあちゃん、僕がんばるよ!
・・・母への追憶その1、童話編(池田文庫2009年より)
僕の名前は、池田ゆうと。小学四年生です。
二年前に、この埼玉のマンションに引っ越してきました。
それまで生まれてからずっとお父さんの仕事の関係で、
全国を転々としていました。
家も官舎だったので、友達ができません。
どうせ別れると思うと、
自分から友達の輪の中にはいるのが嫌になったのです。
それに、初めての小学校で、
よそ者といじめられたし…。
お兄ちゃんが、中学に入る時に、
お父さんとお母さんが、このマンションを買いました。
僕にとっても初めての自分の家です。
とっても嬉しかったけど、引っ越してすぐに、
お父さんが単身赴任で北海道に行ってしまいました。
いつも休みの時はキャッチボールをしてくれていたのに、
できなくなってとても寂しくなりました。
近くに地区の少年野球クラブはあるのだけど、
お父さんが一緒でないと、行く勇気がありません。
でも、僕には、とっても楽しい事があります。
夏休みと冬休み、それに五月の連休に家族みんなで
おばあちゃんの家に行くことです。
もちろん、お父さんも北海道から合流します。
僕のおばあちゃんは、四国というとってもとっても遠い田舎に、
「さき」という犬と二人で住んでいます。
僕が生まれて間もない頃、おじいちゃんが死んだそうです。
おばあちゃんが一人になって寂しいだろうということで、
ニワトリをいっぱい飼っている親戚のおじさんが、
子犬を一匹おばあちゃんにプレゼントしました。
その時、僕たちは前橋というところに住んでいました。
おばあちゃんから電話がかかってきて、
お兄ちゃんに名前を付けてくれと言ったそうです。
前橋でお兄ちゃんは、とっても仲のいい女の子の友達がいました。
その友達の名前が「さき」で、
それが田舎のおばあちゃんの新しい家族の名前になりました。
さきは、とってもお利口な犬です。
庭で放し飼いをしていますが、同じように放し飼いにしているニワトリを、
猫や野犬からまもります。
おばあちゃんは、一kmぐらい離れたおじいちゃんのお墓に
毎日お参りに行きますが、おばあちゃんが、おじいちゃんと話している間、
じっと座って聞いています。
僕は、二つぐらいの時からでないと覚えていませんが、
一緒に散歩すると、さきは、僕の真横にぴったり寄り添って、
僕にあわせてゆっくりゆっくり歩いてくれました。
僕をまもってくれていたのだと思います。
だから、転校した学校で嫌なことがあっても、
次におばあちゃんの家でさきと遊ぶことを考えては、我慢しました。
ところが二ヶ月ほど前、
おばあちゃんが急に倒れて田舎の病院に入院しました。
すぐにお父さんが迎えに行き、東京の大きな病院に移しました。
あとで聞くとガンという病気の末期だったそうです。
お父さんも都内の仕事にかわりました。
しばらくして、僕の勉強部屋におばあちゃんの簡易ベットをいれて、
一緒に暮らすようになりました。
ベットからあまり動けないおばあちゃんだけど、
夏休みや冬休みのように家族みんな一緒で、
「まるで極楽、極楽。おばあちゃんこれ以上の幸せはないよ」と
口ぐせのように言って、心からうれしそうです。
でも、何か足りません。
そう、さきがいません。
おばあちゃんが急にいなくなって寂しくないだろうか、
ご飯は食べているのだろうか、とても心配です。
おじさんが毎日見てくれているとお父さんから聞いて、
ちょっと安心しました。
そんなある日、学校から帰ると家の様子が違います。
田舎のおじさんがおばあちゃんのベットのそばにいます。
僕が近寄ると、「がんばって好きな野球いっしょうけんめいやりなさい」と
やせた手で僕の手をにぎりしめてくれました。
そして、お父さんたちに
「今、おじいちゃんとさきがきれいなお花畑の中から、
おいでおいでと迎えに来ている」と言いました。
おばあちゃんの見ている方を見ると、
本当におじいちゃんとさきが白いきれいな光を発しながら
おばあちゃんを呼んでいます。
するとおばあちゃんが、
白いきれいな光の服に包まれ、
元気な時の姿になって、
さきとおじいちゃんと一緒に空に登っていきました。
おじさんから、数日前にさきが死んでいたことを教えてもらいました。
賢いさきは、天国にさきに行って、
おじいちゃんと一緒におばあちゃんを迎えに来たのです。
でも、お父さん達にはその姿が全くみえなかったようで、皆泣いてます。
空に行くとき、おばあちゃんは、
にっこり笑いながらピッチングのまねをしました。
おばあちゃん、大丈夫!
僕、野球クラブでがんばるよ!
雲の上から見ててね!
~転載、ここまで~
池田さんは貴重なメッセージを発信しておられますので、メルマガをお読みになってはいかがでしょうか。
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- 青木 敬司 (あおき けいじ)
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